塗装工事で使う塗料は種類にもよりますが、一般的に約１０年で劣化が始まります。 劣化の原因は、太陽の紫外線、雨、風など主に自然環境です。 近年はオゾン層の破壊などで紫外線が強く、酸性雨や有害物質を含んだ風雨など環境の悪化と共に塗装面の劣化も進む傾向です。
劣化はどうしても避けられません。 しかし、塗り替えのサインや目安を知っておけば、余分な修繕費用も最小限に抑えられます。
では、劣化のポイントをご紹介します。
・壁のヒビ割れ
・塗膜の剥がれ
・カビや藻の発生
まず、以上の３つがポイントです。
次に、塗り替えの目安です。
・壁は約１５年で、そろそろ塗り替え
・屋根は壁よりも紫外線や雨を受けるので劣化も早く、約１０年で塗り直し
・木材の塗装は、約３年～５年が塗り直す目安
お住まいも数年間隔でメンテナンスを行っておけば、いつまでもきれいな状態で快適な生活を送ることが出来ます。 そして、塗り替え工事も高額なものにはなりません。
＜外壁＞ 塗り替え時期のサイン
一般的にクラック（ひび割れ）や北側に発生するカビや藻、コーキング部分の劣化、チョーキング（白亜化）現象の発生などがサインです。
サイディングの塗装は、モルタルより重要
住宅のサイディング（外装材）は、モルタル（砂と水とセメントを混ぜて作る建築材料）と比べると、見た目も美しく、種類も豊富で、地震に強く、メンテナンスがしやすいというメリットがあります。
しかし、最近普及しているサイディングは、セメント原料をプレス加工して作られている物が多く、塗装による保護がないと水分が浸透し、劣化が早くなります。
サイディングは製品段階できれいに塗装されていて気づきにくいのですが、実は定期的な塗り替えが必要なのです。
アドバイスポイント
塗装が太陽の紫外線の影響で劣化し、白い粉になってしまうのを「白亜化」または「チョーキング」現象と呼びます。
壁を指や手のひらで擦って、白い粉が付いたら塗り替えのサインと言われます。
しかし、塗り替えリフォームの場合は一部分だけではなく、全体を見ることをお薦めします。
大きな劣化が無い場合は、高圧洗浄を行った後に塗装面を保護するクリアーの上塗りを行うだけで済む場合もあります。
建物全体を調べてみると、経済的な塗り替えで済む場合も多いので「塗り替えは全体を見て最適な判断と選択を！」行ってください。
スレート屋根は、塗装で劣化を防げます
住宅の屋根は直射日光を浴び、風雨にさらされ、１年中厳しい環境にあります。
その分、当然ですが外壁よりも傷みが早く塗り替え作業も重要になります。
和瓦の場合は、葺き替えなので塗り替えの心配はありませんが、「コロニアル」や「カラーベスト」と商品名で呼ばれるスレート瓦は塗り替えが必要です。
スレート瓦はセメントを板状に加工したものなので、塗装が皮膜となって瓦の劣化を防ぐ役割を担っています。
屋根は普段あまり目にしない方も多いと思いますが、実は重要な部分なのです。
ぜひ定期的に診断をして、劣化状態を確認しておいてください。
＜屋根＞ 塗り替え時期のサイン
屋根は、普段あまり見ることが少ない場所です。 しかし、太陽からの強い紫外線を常に浴び続け、また雨や風、雪や雹など自然の猛威から住まいを守っている場所が屋根でもあり、劣化が早い場所でもあります。 劣化が進むと雨漏りの原因になったり、遮熱効果も失われ、光熱費への影響もあります。
アドバイスポイント
屋根の塗装は外壁塗装と比べて塗料の選択や施工などで専門知識と技術が必要な部分です。 例えば、近年は紫外線が強く屋根の劣化も早いので、太陽熱を反射して省エネ効果のある「遮熱塗料」が開発されたり、非常に耐久性の高い、無機塗料など屋根専用の塗料などがあります。
実は、これらの塗装には専門的な技術と知識が必要な場合が多いのです。
また、施工経験の浅い業者だと工事中に屋根材を踏んで傷をつけてしまったり、工事後の雨漏りのトラブルもあります。
屋根の塗装後には「毛細管現象」で雨水の逆流を防ぐ「縁切り」と呼ばれる処理も必要です。
スレート瓦の「縁切り」には、タスペーサーと呼ばれる縁切り部材を入れる場合も多いです。
この場合のコストも業者さんに確認すると安心できます。
